森と湖の国。そして、シベリウスの国。
フィンランドの詳細な地図を見ると、日本人の私たちには想像もできない世界を見ることができます。その湖の多さは信じられないくらいほど。しかし、実際に訪問してみると、これが本当に到るところに湖を見ることになるのです。列車で走っても、バスで走っても、とにかく湖を見ないことはない。この無数の湖と広大な森林がつくり出す清涼感ある風景は、この国でしか味わえないものでしょう。
もう一つ、この国を旅した私が忘れられないのが、フィンランド人の暖かさ。初めての一人旅だったというのを差し引いても、この国の旅人への親しみと優しさは忘れられない思い出です。すれ違う人、言葉を交わす人、全てがそれを感じさせてくれます。有名な観光地は少ないですが、再訪したくなる国です。
そして、クラシック・ファンにとっては、フィンランドといえばまず作曲家シベリウスを思い出しますね。この私も、フィンランドを旅する目的はシベリウスでした。彼ゆかりの地を訪ねると、この国の豊かさと静けさを感じ、なぜ彼が晩年に田舎の寒荘にこもったかが分かるような気になってきます。「アイノラ」は、実に味わい深い場所でした。
「フィンランド」はそのままフィン人の地の意。「フィン」は“歩き回る者”という意味がある。また、現地で呼称されている「スオミ(Suomi)」は、Suo(湖沼)+maa(国)が由来と考えられている。
フィンランド語はハンガリーと同じくフィン・ウゴル系に属する言語であり、つまりフィンランド民族(スオミ族)はアジアから移動してきた民族である。スオミ族は先住の遊牧民サーメ(ラップ)人を北部(ラップランド)へ追いやり、南部のバルト海沿岸に定住した。12世紀よりスウェーデン(カトリック)勢力の伸張を受け、さらに13世紀からは東方からロシア(ギリシャ正教)の進出も始まり、以来長い両国の係争の地となる(スウェーデン支配が約650年、ロシア支配が約100年)。長い戦乱の中、18世紀からナショナリズムの萌芽が見え、19世紀の独立運動を経て、1917年12月6日、革命が勃発したロシア帝国から独立した。独立運動では、民族伝承の詩を集めた『カレワラ』(エリアス・レーンロート、1835)、人々を熱狂させ演奏を禁じられた愛国的交響詩『フィンランディア』(ジャン・シベリウス、1899)などが有名。
“森と湖の国”と呼ばれるとおり、全土の大半は森林に覆われ、特に南部は氷河期の痕跡で多くの湖沼が点在し、島々も多い。また、国土の三分の一は北極圏に入る。

サヴォンリンナ Savonlinna
トゥルク Turku
ハメンリンナ Hämeenlinna
ヘルシンキ Helsinki
ラハティ Lahti
アイノラ Ainola